田中好子さんの乳がん

乳がんのガイド

田中好子さん乳がんについて解説しています!

 2011年4月、元キャンディーズの「スーちゃん」こと田中好子さんが、乳がんで急逝されたニュースは、世間に大きな衝撃を与えました。享年55歳でした。

発症から19年という長い月日を経て、再発・転移という結果になった田中さん。彼女のケースから、乳がんの怖さについて学びましょう。

約20年間の闘病生活

 田中さんが乳がんを発症したのは、1992年の時、36歳という若さでした。弟さんもガンで亡くなられているため、遺伝的な因子が強かったのではないかと思われます。手術で、左の乳房の腫瘍を切除する温存療法を選択しました。

その後も何度か再発をくり返すも、年に3〜4回の検診を受けていたおかげで、いずれも早期発見でき、大事に至らずに済んでいたようです。右の乳房に転移した腫瘍も切除したそうですが、命に別状もなく、芸能活動を続けていらっしゃいました。

そんなふうに19年間も、乳がんとうまく付き合ってきた田中さんに変化が起きたのは、2010年10月。

十二指腸潰瘍をわずらい、治療のために絶食をおこなったことで、免疫力が低下し、乳がんが再発するきっかけになったといわれています。

翌年2月には、がん細胞が急激に増殖し、肺や肝臓に転移。それからたった2ヶ月という早さで、4月に亡くなられています。

いつになったら「完治」といえる?

 多くの人が驚いたのは「発症から20年近くたってもまだ再発するの?」ということ、そして「転移から2ヶ月で亡くなることがあるの?」ということでしょう。

乳がんは、一般的には「最初の治療後、10年何もなければ完治」というのが定説です。

しかし田中さんの例からも分かるように、非常にゆっくりと進行するタイプのがんでは、10年以上を経て再発することもあります。そのような場合、再発したがんは進行が早いともいわれるのです。

また最初の転移から死去までの期間は、田中さんの場合たしかに短く、非常に予後が悪いがんだったといえるでしょう。

さらに十二指腸潰瘍で体力が落ちていたことで、ラッシュと呼ばれる、がん細胞の急激な増殖につながったと推測されます。

あらゆる不幸が重なって、あっというまの死に至ったと考えられますが、乳がんはいつ再発してもおかしくないことを、改めて痛感させられます。

症状が落ち着いていても、こまめに検診を受け、再発のリスクをつねに回避することが大切です。

乳がんの温存療法について

田中さんががんの治療として選択した「温存療法」。乳がんの温存療法とは、しこりを含めた乳房の一部を切除する乳房温存手術と温存乳房への手術後の放射線療法を組み合わせた治療のことを言います。

以前は、乳がんの手術というと乳房を含む周囲の筋肉まで広く切除するのが一般的でしたが、最近では早期の乳がんには温存療法が広く行われるようになってきています。

この背景としては、1980年代に欧米の臨床試験で乳がんは大きく切除しても生存率があまり変わらないということ、また、早期の乳がんでは乳房温存手術と放射線療法を組み合わせた場合、乳房切除術と生存率に差がないことが証明されたということがあります。

とはいえ、乳がんの温存療法はすべての人が受けることができるわけではありません。

乳がんの乳房温存術」のページで詳しく解説しているとおり、温存術が選択できるかどうかには一定の条件を満たすことが必要になります。

温存術を選択できるかどうかはしこりの大きさが一つの目安にはなりますが、最近ではしこりの大きさが判断基準の3cmを超えていたとしても、温存術が選択されることもあります。

実際のところ、しこりの大きさが3cm以下という基準は、術後に見栄え良く乳房を残すことを考慮に入れた上での目安でもありますから、もし、しこりの大きさが3cmを超えていたとしても、手術によってきちんと取り除くことができ、かつ術後に美容面でも満足感が得られる手術が可能と判断された場合は、温存術の選択が可能というわけです。

また、しこりの大きさが3cmよりも大きい場合には、手術前に薬物療法によってしこりを小さくすることで、温存術が選択できるようにするケースもあります。

乳がんの温存療法は、乳がんの再発リスクを高めることなく、患者さんが美容的にも満足できる乳房を残すことです。

ですから、がんを取り除くことだけでなく、術後にきれいな乳房を残すという点についても注意を払いつつ、治療が行われています。

術後の仕上がりは、しこりのできた部分も関係する

温存術においては、しこりだけでなく周りの乳腺組織を2cmほど広めに切除するので、術後は乳房が多少変形するということを覚悟しておく必要があります。

乳房の外側部分は比較的ボリュームがあるので、しこりと乳腺組織の一部を取り除いても大きく変形することはありません。

しかし、乳房の内側や乳首のすぐ下といった部分を切除する場合は、乳房が変形しやすくなります。

ですから、術後の美容的な面での仕上がりがあまり好ましくないと予想される場合は、乳房の切除手術を行って乳房再建手術を行うことが勧められる場合もあります。

がん情報カテゴリページ一覧

スポンサードリンク

ページの一番上へ
サイトのTOPページへ